私、「幻」に弱いです。
幻の味、幻の風景・・・

今回は「幻のピアニスト」。皆さんなら誰を思い浮かべられますか？
私は、かのＳリヒテルです。
1970年の大阪万国博で、ついに日本でベールを脱いだソ連（当時）の巨匠。
別にクラシックファンでもなかったのに、新聞の記事を読んで興味深々。今とは違い、直ぐに色々調べられないから、よけいにイメージが膨らみました。
残念ながら、当時は年齢的・予算的理由で大阪まで一人で行けませんでしたが。

それだけに数年後、名古屋でリヒテルの演奏会があったときはどきどきしました。
演奏を聴くというより、弾く姿に魅入っておりました。
ところが当日、風邪が流行っていて、聴衆の何人かが演奏中にゴホン、ゴホン、ゴホン。
気難しいと言われたリヒテル、怒って演奏止めてしまわないか、ハラハラしました。

リヒテルは大の日本びいきで、彼がヤマハのピアノを使っていたのは有名です。
ＮＨＫの名番組「プロジェクトＸ」でも紹介されたエピソード。
自分のピアノを作ってくれるピアノ工場の職人さんたちに感謝の意を込めて、
なんと工場でコンサートが開かれたんですね。
あの世界の巨匠が地方の工場で、自分たちのために。
職人さんたち、演奏に感激して涙したそうです。
その時の様子を想像しただけで、ちょっと涙腺が緩みます。

巨匠に乾杯！

ポップスもいいけどたまにはクラシックも。でも聞いているうちにちょっとウトウト・・・
『OJIトキ！ 想い空のかなたへ』ものんびりした世界。読むというより眺める。
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